北ア常念山脈(長野) 蝶ヶ岳(2677m) 2018年10月06日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 2:46 第二?駐車場−−2:58 三股第一駐車場−−3:09 林道終点−−3:10 三股−−3:18 吊橋−−3:27 力水−−4:18 まめうち平−−4:51 蝶沢−−5:50 大滝山分岐−−6:01 蝶ヶ岳−−6:46 蝶沢−−7:07 まめうち平−−7:44 吊橋−−7:51 林道終点−−8:00 三股第一駐車場−−8:13 三股駐車場

場所長野県安曇野市
年月日2018年10月06日 日帰り
天候下界〜中腹は晴、山頂付近はガス
山行種類一般登山
交通手段マイカー
駐車場林道崩壊により今年は三股第一駐車場の手前約800mの駐車場までしか入れない
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
山頂の展望晴れれば大展望
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コメント今週末も台風の影響で山の上は天気が悪い中、ガスられてもいい蝶ヶ岳へ。三股からの登山道はずっと風下側で予想通り風は穏やかで気温が高かったが、稜線に出たら体を傾けて歩くような強風でガスの中で体感的に寒かった。中腹では日の出前に奥日光の山々が見られた


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林道崩壊箇所はやっと工事開始 迂回路用階段が設置されていた
三股第一駐車場のトイレ 林道終点
蝶沢の吊橋 力水
ゴジラの木 まめうち平(1916m峰)
蝶沢横断。今日も水量が多い 5時10分。東の空が明るくなってきた
5時19分。常念岳にはまだ雲はかかっていない 5時28分。ライト不要な明るさに
予想外に奥日光がくっきりと見えていた。でも頭上にはガスが流れ始める
常念岳はガスがかかっていないのに・・・ 大滝山分岐。完全にガスの中
ハイマツ帯に入ると風が徐々に強まる テント場は1張。ここは風が弱い
稜線に出ると体を傾ける強風 蝶ヶ岳山頂。展望無し
蝶ヶ岳ヒュッテ 気温は+6℃。先週より6℃も高い
頚城山塊と黒姫山。あちらは好天のようだ
奥日光も好天らしい。蝶ヶ岳にガスさえかかっていなければ東側は大展望だったろうになぁ
帰りは常念岳もガスに覆われる 本沢沿いは紅葉が進んでいる
蝶沢 まめうち平
力水 蝶沢(吊橋から)
三股分岐。紅葉ピークまでもう少し 沢水が流れる林道
林道より蝶ヶ岳を振り返る。雲の中 第一駐車場到着
林道下部は工事中だがこの日(土曜日)は工事をやっていなかったので通行止めも無かった
崩壊箇所の工事の様子。来年は開通しそうだ 第二?駐車場到着

 また今週末も天気が悪い。台風25号は本州直撃コースではないが日本海を進むために南からの湿った強風が予想され、山では強風だけでなく雨とガスも予想される事態。特に日曜日は最も影響を強く受けそうで高山は暴風は確実で、前日の土曜日に日帰りで出かけることにした。土曜日でも台風の影響が出始めて南から湿った風が入り、稜線ではそれなりの強風とガスだろう。予報ではお昼頃から雨とのことで早朝は大丈夫そうだった。強風を避けるために今回は三股から蝶ヶ岳を日帰り往復することにした。このルートだと山頂直下まで北側や東側斜面を登るのでずっと風下で風が弱いことがメリットだ。

 三股の林道崩壊箇所は予算の関係か今年は工事をやらないようなので、車両は関係者を含めて本来の第一駐車場手前の第二駐車場まで。林道入口付近は法面工事が始まっていて時間車両通行止めの看板あり。日曜以外は工事をやるとのことで、今回の予定では午前10:00〜10:30の通行可能時間帯に下ってくることになりそうだ。

 3連休前夜の金曜夜の第二駐車場は天気予報が悪いこともあって車の入りは2割程度でガラガラ、夜中にやってくる車も数台と少なかった。気温は高く、先週はジャンパーを着てシュラフを被ったが今回は薄手の長袖で十分だった。まだ上空は星空だが明日はどうなるだろうか。ここは谷間なので風は無い。

 翌朝、2時過ぎに起床、軽く朝飯を食って出発。予想に反して満天の星空のままだが稜線はどうだろうか。まだ真っ暗なので様子は見えない。気温は+14℃くらいあるので最初から半袖半ズボンでも寒くはなかった。周囲の車ではまだ到着して間もない、仮眠準備中でルームランプの明かりが漏れる車もあったが、こちらはもう出発だ。日の出の時刻はだいぶ遅くなったので、こんな時刻に出発するのはごく少数だろう。今日も3時間弱ほどヘッドライトの光で歩くことになりそうだ。上空は意外にも満天の星空だが稜線も晴れているのかはまだ分からない。谷間なので風は感じない。

 第二駐車場のすぐ先の林道崩壊箇所は予想外にも今になって工事が始まっていたのには驚いた。道路脇には登山者用迂回路が設置され、道路上には重機が置かれていた。たぶん工事完了は今年の冬だろうから我々が使えるのは来年の春からになりそうだ。第一駐車場は相変わらずトイレの明かりがともっている。ゲートを越えてダートの林道に突入、先週は最初から路上を水が流れていたが今回はそこまで酷くはない。1か所だけ沢水が流れ込んで路上が沢になった箇所があるが、林道工事が完了して車が入れるようになれば、おそらくここも補修されるだろう。

 林道終点から登山道へ。三股を通過して直進、沢音を聞きながら緩やかに登っていく。蝶沢の吊橋を渡って最終水場の力水。前回は登山道まで流れ出るほどの増水だったが今回もそれに劣らない水量だった。ここのところ雨が多いからなぁ。登山道が蝶沢を横断する箇所でも水が流れていそうだ。

 力水を過ぎると急な登山道に変わり、梯子も交えてぐんぐん高度を上げる。ゴジラの枯れ木より上部で傾斜が緩んで尾根に向かって斜めに登っていき、1916m峰(まめうち平)から落ちる尾根に乗るとまだ谷間なのに木々が風に揺れていて、稜線上はかなりの強風らしい。でもこのコースでは稜線に出るのは山頂直下に達してからなので強風に晒されるのはごく短時間だけで、判断は正解だろう。

 真っ暗な中を登っていき「まめうち平」を通過、まだ東の空は真っ暗なままだ。僅かに下って昨年の倒木帯で頭上が開けて星が見えるが数が少なく雲が出ているようだ。これが湿った強風で稜線にかかる雲なのか、それとも天候の悪化に無関係な上空の薄い雲なのか、はたまた雲海の雲なのか、今の暗闇では判断できない。

 蝶沢は予想通り豊富な水が流れていた。ここからは常念岳のシルエットが見えるが、山頂手前の鞍部付近でガスが西から東へ流れているが山頂は見えている。さて、これをどう解釈すればいいか。少なくとも稜線が完全に晴れているわけではないことは分かったが蝶ヶ岳の山頂がどうなっているのやら。でも常念岳山頂が見えるのはいい兆候だろう。

 徐々に周囲が明るくなって雲海に覆われた東の空が赤く染まってきた。時々現れる樹林の隙間から志賀高原等の山々が見えているが、雲海の高さが高くて見える山が限定され、最初は同定できなかった。しかし形状の特徴から判断できるようになり、浅間山と四阿山の間の鳥居峠の向こう側に奥日光の山々が明瞭に見えていることに気付いた。今日は思いのほか空気の透明度が高いようで蝶ヶ岳での展望が期待できそうだが、悪いことに高度を上げると頭上に霧がかかり始めた。これは間違いないく蝶ヶ岳山頂はガスに覆われているだろう。想定された事態とは言え残念。

 標高が2400mを越えて明るくなり周囲の様子が見えるようになると、落葉樹の葉は既に落ちて丸坊主になっていた。これから台風の強風でさらに葉が飛ばされてしまうだろうなぁ。今年は台風が多くその影響が強く出ているだろう。

 大滝山分岐近くでとうとうガスの層に突入、山頂で展望が無いことが確定した。ここまで登ってもまだ下山する人とすれ違っていないのは初めての経験だ。台風が接近する週末前に登る人は少なかったらしいが、駐車場の様子からして予想できることではある。

 枯れた草付きからハイマツ帯に入り、急激にハイマツの高さが低くなると徐々に風が強まってきた。体感温度がぐっと下がったので防寒装備を着こむ。濃いガスでハイマツは濡れているが登山道は刈られているので問題なし。まだここでも稜線の風下側なので直接風が吹きつけているわけではないが、低いハイマツが風に揺れるくらいの風が吹いている。ガスに覆われた稜線東直下のテント場にはテントが1張だけあった。ここは比較的風が弱く、テントはその中でも一番風が近い斜面直下に張られていた。

 テント場を横断して稜線へ出るとやっぱり風が強かった。南西側の梓川から吹き上げていて、最初はさほど強くはないと感じたが強弱のピークでは風上に体を傾けないとよろけるほどの風速に。まだ台風が離れているのにこの状態では、接近すると行動不能の風速に達するのは間違いないだろう。ガスはそれほど濃くはないようで、ガスがかかりながらも頭上が時々青色に見える瞬間もあり、一瞬だが槍ヶ岳や穂高の稜線が見えることもあったがあっという間に再び真っ白になってしまった。気温は+6℃もあるが強風で体感的にかなり寒く、長時間滞在できる状況ではないので写真だけ撮影してすぐに下山開始。雨が降っていないだけマシだろう。

 下っていくと次々と登りの登山者とすれ違うようになる。通常の週末よりは少ないが、それでも合計20〜30人はいたと思う。日帰りと思われる人もいたが、明らかに幕営と思われる人も。蝶ヶ岳ヒュッテのテント場はモロに西寄りの風が当たることはないが、今以上の風速になってもテント設営が可能な程度まで抑えてくれるかは不明だ。ガスは徐々に下がってきて帰りには常念岳はガスに隠れてしまったが前常念岳はガスがかからず晴れた状態。ガスよりも標高が低い箇所では晴れて日差しがあり、稜線のあの天候を想像するのは困難なほど穏やかだ。焼山、火打山、妙高など頚城山塊は晴れてすっきりと見えていて、北側では天候の悪化はまだないらしく、場所の選定を誤ったかもしれない。事実、帰ってからネットで登山記録を検索したら常念山脈南部が最も悪天だったようで、驚いたことに後立山などは無風快晴で登山日和だったようだ。穂高の町から北アを見上げると燕岳より北側の山頂は見えていた。

 駐車場に戻ると林道崩壊箇所手前の臨時登山指導所には人が入っていて、蝶ヶ岳山頂の天候状況を伝えておく。林道入口付近の林道工事状況を聞いてみたが、日曜は工事は休みと聞いているが土曜日や祝日はどうなるかは業者によりけりで不明とのこと。急ぐ必要も無いので工事をやっていたら昼寝でもして待てばいい。予想通りで通過可能時間は10:00〜10:30を狙うことにして、着替えを済ませて車に乗り込んで工事で通行止めの場所まで移動することに。林道では対向車が全くいなかったので工事をやっているだろうと思ったが、意外にも工事区間に突入してもその様子はなくすんなりと通過できた。少なくとも今の時期は土曜日も工事はお休みらしい。天気予報通り下界は晴れて暑いくらいだった。

 

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